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こちらでも同じものをUP致しますね★


①城みづきの 銀時×月詠小説  「shine」
3/15のHARUコミックシティにて発表されました。
A5/44P/500円/FC表紙
スペに来て下さった皆様、本当にありがとうございました!
とても楽しいイベントでした!

制作中には、
多くの応援拍手やコメ、メールなど、本当にありがとうございます!(泣)
とても励みになりました(泣)
完成しました本を、ぜひお読み頂けますように…祈り。
好評なら続きも書きたいと思っておりまする!


↓ 表紙絵、スペース番号はこちらかサイトへどうぞ★

http://mizukijoe.sfcgi.com/kage-oshirase1.htm

②「目覚めなければいい」
08.12.29の冬コミにて発表されました
A5/182P/1000円/FC表紙/18禁
現在在庫切れ目前という状態です。


↓ 表紙絵、スペース番号はこちらかサイトへどうぞ★
「shine」のPと同じです。
スクロールをぐぐ~と下げて見てね★

http://mizukijoe.sfcgi.com/kage-oshirase1.htm



③「影を知る」
銀魂全国大会にて発表されました。
この「目覚めなければいい」の神威登場の場面を
深く掘り下げて漫画化した本です。

阿伏兎×神威
神威×少年銀時

「影を知る」
B5/44P/600円/FC表紙/18禁

知りたくない
見たくない
自分に出来る
孤独の影法師なんか


春雨よりの任務を帯び
神威、阿伏兎は再び吉原桃源郷へ
神威はそこで
色子として働く少年銀時に出会った…




前作「目覚めなければいい」より
神威登場場面をピックアップして漫画化
阿伏兎神威、神威少年銀時の情事…
(これだけでもお楽しみ頂けるように作ってあります)
自ら使った転生郷に侵されていく神威…
そこに真選組土方と沖田も現れて…
幼少時代の神威も
お母さん、星海坊主もチラリ




こちらのお知らせPです。
http://mizukijoe.sfcgi.com/kage-oshirase1.htm




なお、この3冊は現在
「明輝堂」さまにて委託販売中です。

http://www.meikido.com/

「銀魂 緋桜流」で検索して下さいませ。
自家通販も行っています。

サイト「フル・スロットル」
http://www.mizukijoe.sfcgi.com



小説本は試し読みも可能です。
http://mizuki0503.blog59.fc2.com/


次回イベント参加は受かれば5/4のSCCです。
新刊は「螺鈿」

星海坊主一家、夜兎、阿伏兎神威、銀時




どうぞお立ち寄り下さいませ~



こちらが緋桜流のサイト「フル・スロットル」です

http://www.mizukijoe.sfcgi.com









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「目覚めなければいい」
08.12.29の冬コミにて発表されました
A5/182P/1000円/FC表紙/18禁
こちらの本も明輝堂さまにて委託販売中です。
3/15のイベントにも持って行きますが、在庫切れ目前です

スペ番  西2 O-12b  緋桜流



↓ 表紙絵、スペース番号はこちらかサイトへどうぞ★
「shine」のPと同じです。
スクロールをぐぐ~と下げて見てね★

http://mizukijoe.sfcgi.com/kage-oshirase1.htm





「目覚めなければいい」  その11 09.3.11




またまたぼんやりと晴れ渡った空を見上げている土方。
屯所はいつも通りに賑やかで慌ただしい。
だが土方だけは自分の想いに耽っていて…?


「ですから…副長…あの、聞いてます?」
「おお、聞いてるぞ?続けろ山崎」
「ですからねえ……ああ、もういいです!」
「ああ?そう?じゃ任せたわ、山崎」

ふ~っとタバコの煙を宙に噴き出してにこりとする土方。
その様子に唖然とする山崎。

「けっ、見てらんねえな土方さん。仕事しろよお」
「うるせえよ、総悟!」
「ああ、沖田隊長、副長大丈夫っすかねえ?」
「ああ?何がでぃ?」
「な~んかこう…優しくて気分が悪いや」
「何だとお山崎い!そこに直れ!」
「ひいい~っ失礼しますうううう~」

ドタバタと音を立てて山崎が逃走した。
その後姿をにやりとして沖田が目で追う。

「ざまあねえなあ土方さん…そんなに悦かったんですかい?例の女…」
沖田総悟は土方が狙っているのは「女」だと思っている。
その方が都合が良いかも…と土方はわざと訂正しないでいるのだ。
第一、陰間が気に入っている…などとは言えないではないか!



「ああ、まあ…な…て!ち、違うぞ総悟!」
「ぼんやり呆けちゃって…顔もにやけてますぜぃ?」
「…ち、違うううう!……て、総悟、てめえはどうした?」
「ああ…こっちも…違うってか、その…なんだ…」

ふたりで照れてしまっている。
共有する秘密を持ってしまった土方と沖田。
どちらが先に話したらいいのか…

「まあ…ちょっとだけふたりだけになりやした…
先輩ホステスが気を使ってくれたっていうか…
まあ、名前は分かりやした…『神楽』って言うんだそうで…」
「そうか、良かったじゃねえか。俺も名前は聞き出したんだが」
「でね、チラリとだけ聞いたのは…何でも吉原で修行して、一人立ちしたいんだそうです。
家族も別々に暮らしてるって話で…ひとりでも生きていけるように強くなりたいって。
大きな犬を飼っているので、その餌代も大変なんだそうですぜ?」

にこにこと総悟が笑う。
いい顔をして笑う。

「でもあんまり笑わないのが気になりやす…あの年頃の女子っぽくねえ…
やっぱり何か事情がありそうだ」
「そうか…」
「だけんど、次にも会える約束してきやしたぜ。
先輩ホステスが戻ってきたんで、また来るからって言ったら、
小さく微笑んでこくんと頷いてくれたんで…」
「ふむ…」
「土方さんの方は?ちゃんとヤれたんですかい?」
「……ヤれなかった…」
「はああ?恥ずかしいな、土方よお!」
「いやあ…ヤろうと思えば出来たんだがなあ…その………」



土方はあの晩の銀時を思い出す。
優しく抱きしめられてその温かさに酔っていると、銀時の方が先に寝てしまったのだ。
腹一杯食わしたのがまずかったのかと後悔したが、
あのイチゴ牛乳と饅頭を嬉しそうに頬張っていた銀時に、満足している。

思えば存分に食えていないのかもしれなかった。
流行っているスナック&遊郭とはどうも思えない「寺田屋」。
育ち盛りで食いたい遊びたい年頃だというのに、陰間などしながら暮らしている。
それにあの、身体のあちこちに見つけた無数の傷痕…

思い出してもその不憫さに心が痛んだ。
が、そういう気遣いは無用と言い張ったあの健気さ…しまいには、
自分のでっちあげた嘘の話に涙を溜めて、優しく抱きしめてくれたのだ…
だがやはりそこは子ども、一瞬の後にすうすうと寝息を立て始めたのだった。

その、なんとも言えぬ愛おしさ…

銀時は無防備な顔をして土方に抱きついていた。
その腕をそっとほどいて、脱ぎ棄てた襦袢を着せてやり、布団に横たわらせ、
ふわふわとした白い頭を撫でた。


どこもかしこも白い少年…綺麗だ…と目を細める。
こいつも売れっ子なのではないか?ちくりと胸が痛む。
白い頬にはわずかにあんこが付いていた。
それを指で拭い、土方は自分の口へ入れて…

「…甘いなあ……俺もなあ…」
とひとりごちた。

ただその安心しきった寝顔を見ているだけの夜だった。
だがそれで良かった。
銀時がゆっくりと休めればそれで。

また来るよ、銀時…
その時はまた、相手してくれよ…
今度はニセの弟のことなんか言い出さねえからよ…
銀時…
お前を抱きしめてやりてえんだ…


明け方近く、寝ている銀時を起こさぬよう、そっと布団から抜け出して帰った。
寝ずの番をしていたたまに、少々のチップを渡し、刀を受け取って屯所へ戻ったのだ…
その様子を心の中で反芻したが、総悟には語らなかった。


「…ただ寝顔を見ていられりゃ良かったんだ…」
「……そうすか…」
「変か?俺は…総悟?」
「…いや…分かります……同じです…」
ふたりはくすりと笑い合った。
「なんか…照れやすねえ…土方さんに話すの…えへへ」
「そう…だなあ…俺も照れくさいな、はは…」




ここは寺田屋。
そこにくるくるの天パ、丸いサングラスをかけた坂本がやって来た。

「おや、坂本さん。いつ地球にお帰りで?」
「ついさっきがよ。真っ先にアイツらに会いとうてなあ。
おお女将、いつものように今夜は貸し切りじゃ。
それとアイツらの好きな物、ぎょうさん用意してやってくれ。
金ならいくらかかってもええじゃき。ええと…それにい、わしには酒とつまみと…たまさんじゃ!」

坂本は側に居たたまに抱きつこうとする。
「私はつまみではありません」
さっと坂本の腕をかわして奥へ引っ込んでしまうたま。
機械でもそのキモさが分かるらしい。

「ああ…いつになったら気を許してくれるんじゃ、あの娘はのお~可愛いのにのお、
わしは大層気に入っとるのだがのお~」
「あはは。たまは機械で出来てますからねえ…お召しに叶いませんですみません。
早速手配しますから、部屋へどうぞ、坂本さん」
「へいへい。さあ驚かせてやろうかのお~」
「…いつもご贔屓に……ありがとうございます…」
お登勢が深く頭を下げた。



「うわあ~!坂本さん!」
「坂本さんだ!」
「坂本のおじさん!いつ帰ってきたの?」
「おお~、金時、小太郎、晋助~!元気にしとったがか?」
3人が坂本に飛びついた。
「違うってばよ!金時じゃない!『銀』だ、『銀』!あのなあ、
もういい加減覚えてくれよお~」
「おう、そうじゃったなあ~『金時』」
「…」
(たま並みだなあ、このオッサンの頭…天パだし…ああ、それは俺も同じなんだけど!
天パに悪いヤツはいないんだけど!)


「坂本さん、お帰りなさい」
「坂本のおじさん、お帰りなさい~」
小太郎も晋助も満面の笑みだ。

「おお小太郎~、どうじゃ?ステファン人形は気に入っとるがか?」
「はい!ありがとうございました!
エリザベスって名前つけたんです!もう可愛くって…」
「そうかそうか。小太郎は可愛いもんが大好きやからのお~、大事にしとうせ」
「はい、もちろんです!寝る時も一緒ですから!」
「キモイんだぜ小太郎~、エリザベスにぶつぶつ話しかけたりするんだよ。な?いひひ」
「銀時い!あ、それと…おいしいお蕎麦屋さんも教えてくれてありがとうございました。
時々ですが食べに行っています…」
「キモイんだぜ小太郎~そこの女将さんに惚れてるらしいんだよ?
うっとりした目で見上げてるの、いひひ」
「銀時いい~!何を…!」
小太郎が慌てて銀時の頭を殴りにかかる。
そう、そのお蕎麦屋の女将さんは幾松さんです。



「で、坂本さん、今日はお土産、何?」
晋助が身を乗り出して請う。

坂本は宇宙を股にかけて貿易商を営む快援隊という会社の社長だ。
普段はあちらこちらの星へ商売に出かけて行っているが、時々地球に戻ってくる。
その都度、この寺田屋へ来ては銀時らと遊んでくれていた。

3人をまとめて買ってくれるだけでなく、寺田屋を貸し切りにするほどの料金を払ってくれて、
お腹一杯に食べさせてくれて、お土産も持って来てくれる。
3人を買ってくれるといっても一緒に遊びご飯を食べ、ただ一緒に寝るだけ…
だが3人にとってはこの上なく楽しい夜だった。
3人にはもちろん、お登勢にとってもありがたいありがたい客だったのだ。



「ほら、これらはどうじゃ?」
「…刀…!」
3人が目を丸くした。
坂本の手に刀が3本握られている。

「これはのお…小刀というもんじゃが。ほら普通の刀よりも短いじゃろ?
すっぽり懐にも入るじゃき。
これならおんしらにも持てるかと思うてなあ…があ、短いというてものお、
こりゃあ本物の刀じゃき。
勿論良く切れる…怪我をしないように扱えよ?さあ…持ってみい」

坂本はひとりひとりに手渡す。
3人は手渡された小刀をしげしげと見る。




つい今しがた帰ったとは嘘である。
地上の江戸、女ながらにも刀鍛冶である村田鉄子に前から頼んでおいた刀…
これらを受け取ってきたのだ。
子どもでも持てる長さの刀を用意して欲しいと頼んでおいたのだ。


「坂本さん…これらですけど…何故ですか?子どもに刀を持たせるなんて…」
「…いや…そろそろ自分で自分を護ることも覚えさせとこうかと思うてなあ…
わしもしょっちゅう地球へ来ることも出来んし」
「それは分かりますが…でも…むやみに振り回したりすると危険ですし…それに…」
「ああ、アンタの言いたいことも分かるぜよ…」


鉄子は同じく刀鍛冶だった兄を亡くしている。
その兄は刀の魔力に狂わされ、妖刀を制作中に取り憑かれるように死んだのだ。
それ以来刀に対して非常に用心深い。
坂本が子どもに刀を持たせようなどとは理解が出来ないことと思っている。

「ここ最近、吉原でも微妙な動きが感じられる…
それも宇宙海賊『春雨』が関係しているらしい。
春雨の使いが何人もあの吉原に来ているという噂じゃ。
何が起こるか知れん。
アイツらに何か有ったらと思うとわしは…」
「だからと言って、何も刀を持たせなくても…」
「ほうがか?刀は人を護るためのもの…とアンタから聞いたがのお」
にやりと坂本が笑う。
そう…この鉄子は人を護るための刀を創りたいと考えているのだ。
「アンタが創った刀なら…3人のお護りになってくれると思うてな…
いやきっと成ってくれるに決まっとる。なあ!
そう…願っちょるんじゃ……おおきに鉄子さん…いくらじゃ?」
坂本は鉄子から3本の刀を受け取ってきた。



「ええか?こう持つんじゃ…そうそう、晋助、それでいいがよ。
おお、小太郎も上手いじゃき!
金時…はあ、もうちょっと強う握って持てや」
「こうか?」
「ほうがじゃ!3人とも…上手いぜよ」

3人は自分用の刀と聞いて驚くが、なんだか大人になったような気がして嬉しくなる。
ちょっと振ってみたりするが…

「ああ、ダメじゃあ!いいか?良く聞けや。
刀はのお、自分を、そして人を護るためにふるうのじゃ。
これを握る時にはの、決してふざけたり遊んだりしちゃならんぜよ。
一番大事な時にだけ使うと約束してくれ」
「一番大事な時…それって…?」
小太郎が問い返す。
「そうじゃのお…その時が来たら分かるぜよ」

その時が来たら分かる…松陽先生も同じことを言っていた…
だからきっとこれも間違いはないのだと皆は思った。

「ありがとうございました、坂本さん」
小太郎がペコリと頭を下げた。
「皆で大事にして、言いつけをきちんと守ります。安心していて下さい」
「おおさすがは小太郎じゃあ~、しっかりしとるの!」
「俺も大事にする」
「俺もだ!」
3人はきらきらした目で坂本を見上げた。
「うん…これでわしも安心じゃき~」


そこにたまがジュースやら酒やらを運んできてくれた。
「さて飲むぞお~、地球の酒が一番じゃきのお。さあ、たまさん、注いでおくれええ~」
「では一回だけ…にこり(営業用スマイル)」
「ふふ~、可愛いぜよたまさあ~ん、ボカッ」
たまの尻を撫でようとした坂本が殴られた。
「あはは~、フラれてやんの」
「あはは」
「うわ~、ジュース、嬉しいな~」
「ご存分にお楽しみ下さいませ。後でお寿司が来ますから…」
「うわおう、お寿司だって!坂本さん、ありがとう~」
銀時が目をらんらんと輝かせて…
「ああ、いくらでも喰うてくれや。今日は食べて飲んで遊ぼうぜよ!」
「はあい~!やったあ!」
貰った小刀など放り出してジュースに夢中になる3人だった。


ひとしきり食べて、笑って踊ってゲームをして布団の上で取っ組み合いをして
…疲れて眠ってしまった3人を見ながら坂本はひとり、手酌で酒を飲んでいる。



「…ほんに春雨らが何するか分からん…いったいどうしたらええがか…?
わしに何か出来るだろうかのお…なあ~んも思いつかんがの…」


先ほど鉄子に言ったことは真実だった。
地球に対して並々ならぬ征服欲を燃やす宇宙海賊春雨。
その軍団は容赦ない戦法で、かつて多くの星をその手に収めてきた。

今度は地球だと…?許さんぞと坂本は思うが、
ここ近年の地球にはその春雨の息がかかった多くの天人が来ているのも事実。
それら全てを幕府が追い払うのは無理と言える。

地球を征服するのにミサイルはいらないと言われている。
そこには春雨が開発した麻薬「転生郷」の売買があった。
その麻薬の作用は地球人にはあまりにも激しく、死に至る者も多く出た。
それに気が付いた春雨は、何も美しい星を壊すことはない、
地球に住む人間を全て抹殺すれば良いと考えたのだ。


「むう…春雨…そげなことはさせん…」
「何?そげなこと…?」
「おう、金時…悪かのお…起こしてしもうたか?」
「坂本さん…酔ってるの?」
「ああ、酔っとるよ、ほんま地球はええ星じゃの!」
「うん…坂本さん…」
「ほれ、もう寝るがよ、金時…」
「…そばに…来てくれない?坂本さん…」
「おう……?何か怖いか?…」
「…ちょっと…」
「そうか…ほれ…」

坂本はサングラスを外し、銀時の脇に身をすべらせる。
銀時が抱きついてきた。
そっとその身を抱きしめてやる。


「何か…有ったんか?金時…」
「…ううん…何もないよ…?心配しないで…」
「震えてるのか?やっぱり何か有ったんか?」
「…ううん。何でもない…大丈夫だから…」


銀時が顔を見られないようにと、坂本の胸に顔を押し付けて甘える。
普段の銀時には見られない様子だったので坂本は驚くが、
自分と同じように、吉原を包むこの不穏な空気を感じているのかもしれない…と思う。


銀時はそういうことに敏感な子だと感じる。
何がどうだと言えないが、他の子らと違い、妙に大人びた表情をするようになった。
それを成長と言うのなら、銀時は他二人よりも早く大人になるのかも知れない。


「…そうかあ…金時ば、大きくなったんじゃのお…
怖いもんとそうでないもんが区別つかないんか?」
「…ん…そうなのかなあ…?俺、怖いよ…何が怖いのか分からないのが怖い…」
「そうかそうか、そうだなあ…俺も怖いぜよ?金時」
「え?坂本さんにも怖いもんがあるの?たまとか?」
「あっはっは~!確かにのお、たまさんも怖いぜよ。
でもたまさんはの~、ものすごく可愛いおなごじゃ。
機械でもかまわんぜよ。ここの女将もいい女じゃき。
ほんに地球にはいい女ばかりじゃの~!」
「女のことばっかり…そうじゃなくて怖いものを聞いてるの」
「…うう~ん…怖いもの、のお…そうじゃなあ…いっぱいあるからのお…」
「いっぱい?…大人にも怖いものがあるんだ…?」
「そりゃあ有るぜよ?いっぱいのお~あはは!」

銀時は少々不思議そうな顔をして坂本を見上げる。
その銀時の頭をくしゃりと撫でてやりながら、笑みを返した。

「ああ…でも金時、心配いらんぜよ。その刀…それな、きっとおんしらを護ってくれるからなあ」
「…ほんと?」
「ああ、金時…おんしがそれを一番分かってくれるような気がするがのお…
皆を護るために、使うてくれ」
「…怖いよ…本物の刀、なんて…」
「その気持ちが大事なんじゃ…金時…」
「…そう…なの?」
「ああ、そうじゃ…」
「でも…何で俺にみんなを護れ…なんて言うの?小太郎や晋助には言わないのに…」
「いんやあ…金時が一番元気が良さそうに見えるきに」
「…先生も…そう言ったけど…」
「そうか…先生も言ったか、あはは」
「うん…何かあった時には皆を護って下さいね…って。
君が一番剣術が強かったからって…言われたけど…」
「先生…剣道も教えてくれたがか?」
「よく皆で竹刀を持ってちゃんばらごっこしたんだ。そんで
先生は俺たちを見て、いろいろアドバイスしてくれたけど…
先生とやると、いつも一発でやられちゃった」
「あはは…そうがかや」
「いつも手加減ナシっての?真剣勝負ってカンジで」
「な~るほどの!ふむ」
「先生の本物の刀は家の奥に大事そうに飾ってあって…
一度だけこっそり鞘から抜いて見たことがある。
冷たく銀色に光っていて、ちょっと怖かった…」
「…うん…」
「先生はその長い刀を腰に挟んで旅に出たけどね…
先生がそれを抜いたのは一度も見たことがなかったよ」
「…そうかあ…」
「先生はこうも言ってた……『人に剣を向ける時には、自分に向けられていると思いなさい。
自分に恥じることはないか、よく考えてごらんなさい』って」
「おう…そうじゃの、そういうことなんじゃ」
「…よく分んないや…」
「…そうか…今はよく分からんでもよかな…だけんど、先生の言ったことは間違っとらんよ」
「ほんとに?」
「ああ、ほんまじゃ…」
「だけど…………何で『俺』かなあ?…
俺も……護ってもらいたいよ…俺も、怖いもの…」
「…そうじゃなあ…金時…うん、まあ大丈夫じゃ。
今夜はわしがついとるからの。
安心して眠るぜよ…なあ…なあんも怖いことはありゃせんからのお…」


やっと銀時の目から不安気な色が消えたようで安心する。
坂本はゆっくりと銀時の背中を撫でた。
気持ち良さそうに、銀時がそっと目をつぶった。

「…今日は…ありがとう……坂本さん…」
「ああ…お休み…金時…」


小さな寝息が聞こえるまで、坂本は静かに銀時の背を撫で続けた。
畳に置いてある3本の小刀を振り返って見た。





ああ、必ずやこの子らを護ってくれよ…
















 
城みづきの
銀時×月詠小説 「shine」は
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ぜひお手に取って頂けますよう、よろしくお願い致します。

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銀時×月詠  shine その3 09.3.11




「ちょ…銀…時…ま、待て…あ…」
「…待てねえって…言ったろが…」
銀時は月詠の太ももを撫で続けて語る。

「まあ、待て…頼む…ちょ…ああ…」
「…なに焦ってるの…」
「あ、焦ってなど…おらん…焦っているのはその、えと、…主ではないかえ?…」
「あ、焦ってねえって…いや…え?焦ってる?おれ…?」
「ああ、焦ってるぞ…そんなにしたら…タイツが破れる…どうしてくれる?…高いぞ、これ…
言っておくが…これもブランドものなのだぞ?…くすっ」
「おおそうか…まずいまずい…水商売の女が身に着けているものってば、
弁償出来ねえ値段だからなあ…はは…」
「そうだ…はは…」


まあ、金が無さそうなのは最初から分かっていたことだが、
なんと可愛らしいことを返す男なのだ、こいつは…

だが口ではそう言いながら、太ももを撫で上げる手は休みなく動いているのが可笑しい。
それもその力が減っていないのだ。
高い品だと教えたはずなのに。
せわしなく動き続ける銀時のその手。
その目も笑っていた。
だが気分は悪くないというのが始末に困る。


月詠は銀時のその目を見ながら、後で結い上げた髪を結んでいる紐をほどいた。
髪に差したクナイのかんざしも取る。

「ヲ、ヲイ…投げる気か?それ…」
「おお…投げて欲しいか?また…」
「いやあ、もう勘弁…」
「ふふ…」

笑いながら髪をほどく。
カフェオレ色の髪は肩まで流れ、その端正な頬と肩のラインを覆った。
銀時は月詠に跨ったまま、すっと目を細めた。

「…ん…」
「なに?」
「お前……好みだなあって思ってさ…」
「へん…男の常套文句だろうが…それは…」
「ヲイ!言っておくがな。今俺は女郎を買ったんじゃねえぜ?」
「だろうな。主にそんな金は無いからの」
「ちっ!当たりだが当たりじゃねえ。
俺はお前とやりたくて此処に居るんだぞ。
お前はどうなんだ?」
「…」


何なのだ?この気持ちは…
ただ付いてきてしまった自分。
断れなかった自分…
客に請われて付いてきた…でもない。
ましてや銀時を好きだなどと思っている訳でもない。
…いったい何なのだろう?


『共に危険な冒険をした男女は必ず恋に落ちる』
…?…何かで聞いたな?
『スピード』とかいう映画の中だったっけか…
じゃあ今こうしているのは『恋』なのか?
まさかあ……あはは…
月詠がひとり考えているこの間にも、銀時の手は太ももを撫でている。
『足』が好きな男なのだなあ…と笑っていると…


「…ん…綺麗だ…お前…」
「…歯の浮くようなことを…」
「世辞じゃねえぜ?…んと、最初に出会った時から…
そう思ってたんだからな…」
「銀…時…」
月詠の胸の中を、温かいものが流れ始めた。


わずかに汗の匂いがした。それは自然なままの女。
化粧を施した遊女ではない、生きているままの、女。
だが恐ろしく綺麗な肌をしている。

こいつは確かに遊女だったが、それはこの持って生れた美貌のおかげであったことも事実なのだ。
どこかの町で生まれ、口減らしの為に吉原に売られてきたのだろうか。
日輪を護るためだけに吉原で生きることを決心したと言う
自身の口から語られた身の上話が本当なら、
過去にはそれ相応に男相手の夜を過ごしたはずだ。
それなりの技も持ち合わせているのだろう…
この美しい首のラインに口付けた男の数を数えるなどという野暮はしたくないまでも、
この女に溺れた時間を持った男が複数居たことに、
胸の奥がざわめくのを止めることが出来ない。
その技を見たいという気持ちも湧いてくるのを止めることが出来ない…

嫉妬と羨望と色欲と…まったくこれだから男ってえヤツは…などと銀時は自嘲する。
が、その手は止めない(笑)
むしろそういう女をいま、組み敷いている気分に高揚してくる。


そうだ…いま、この女を抱くのは自分だ…と。










 
銀時×月詠小説 「shine」は
3/15のHARUコミックシティにて発表されます。
ぜひお手に取って頂けますよう、よろしくお願い致します。
応援拍手やコメなど、ありがとうございます!(泣)
完成しましたよ~


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銀時×月詠 shine その2



小さな宿に部屋を取り、座卓に置かれた銚子を手に、
月詠は少々首を傾げて銀時を見た。

「…わっちからも礼を込めさせてもらう…ほれ…」
「…ああ…」

猪口を持つ手が震えそうになるのを銀時は必死で抑えた。
闘いの後、あの日輪から注がれた酒も極上の味だったが、
この月詠からもこんな酌を受け取ることになろうとは。

男相手の商売をしつつも、己の光を失わずに生きて来た女たちの、
哀しくも身についてしまったこの美しい仕草。
だが銀時が震えそうになったのはその仕草にではなく、月詠の細い指の美しさに、だった。

…この細い指であのクナイを巧みに操るのか…
触れてみたい…


「…?ほれ…何かありいすか?」
「…いや…何でもねえ…」
猪口をすぐに口へ運ばない銀時を月詠は怪訝そうに見やる。
そんな月詠を見ることも叶わずに、思いついたように銀時はその猪口を傾けた。
「…うめえ…」
酒が欲しかったはずの喉は、そのぴりりとした刺激に歓喜するが、
喉だけでなく銀時の心のどこかも潤してくれるようだった。



銀時は特別に酒が好きだと言うほどではない。
少量ですぐに酔っぱらう程に弱い。
だが酒を飲む時間やらその状況を殊更に愛せるタイプだ。
気の許せる友人らとのかけがえのない時間にあおる杯は、
この世で最も上手いものと思っている。
それは値段の張る高級な酒で無くとも、野郎の注いでくれた酒であっても、
たとえばそこが屋外であろうとも汚い安酒場であっても、
皆で笑いあって飲める酒が最も好ましいと思えるのだ。
それが銀時の喉を、心を潤す。
自分自身を癒してくれるその時間と状況を、何よりも大切に思ってしまうのだ。


そして今のこの状況…
共に闘い、修羅場を乗り越えて繋ぎ留めることの出来た命。
そして繋がれた心の絆…
あの時の戦友で有り、「女」……
そんな相手が今、自分に酌をしているとは…
銀時の胸が高鳴る。
そして月詠も自身の胸がざわめき始めるのを感じていた。


「ほら…お前も…」
「…うん…じゃ…」
月詠の猪口にも酒を注ぐ。
猪口に注がれる酒の流れる音はごくごく小さいもののはずなのに、
何故かふたりには大きな音に聞こえるような気がする。
もしかしたら自分の鼓動も、こんな大きな音を立てて相手に聞こえているのではないか?
と思ってしまう。
おそらくこの後、この酒よりも自分を潤してくれるだろうこの眼の前の相手に、
期待と不安とが入り混じった心うち…
妙に照れてしまいそうになるのを、互いに我慢しているような時間だった。

「う、うまいでありいす…」
「っへへ…そか…」
小さく微笑む互いの口元がどこかぎこちないのはそのせいだった。


「さ…肴は…おめえが…いいな…」
思い切って言ってみる。
「……わっち…も…主が……いい……」

この言葉に勇気が出た。
銀時は対面の月詠ににじり寄る。
その時間さえ月詠には照れくさく感じてしまう。
そっと肩を抱かれて銀時の髪が自分の頬をかすめた瞬間、
月詠は思わず後ずさりしてしまった。
だが銀時はその動きを許さない。
更に力を込めてその肩を抱きしめて、その顔を覗き込んだ。

「…ちょ…と…ぎん…」
「……んだよ?…」
「…な…なんか…照れくさいで…ありいす…ちょっと…
待って…くれないか?…は…」
「…待てねえ……」
「あっ…」

そして静かにその白い睫毛が閉じられた。
銀時という獣に捕らえられた獲物になってしまったような錯覚を招く。
抵抗すればするだけ、その強い腕に抱きしめられた。

月詠は銀時にその身を預けるようにゆっくりと力を抜いた。

(中略)

「…あっ」
「わ、悪い…痛かったか?…」
掠れ気味の声。荒ぐ息で答えるのその声に、銀時の焦りを見た月詠が答えた。

「…急がないで…くれで…ありいす……」
「…んだなあ…くす」

小さく微笑んだ銀時は、月詠をさっと抱きかかえて、布団の上へ移動した。
その、瞬時に軽く抱きかかえられた自分が客観的に見えて、
当たり前ではあるが、自分とは違う「男」の力にはっとする。
焦りを感じているのは自分ではないか…
月詠はますます照れてしまいそうだった。








 

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